私は今までにもらった手紙を全て保存している。
誕生日のお祝い、旅行先から送ってもらったハガキ、励ましやお礼、気遣い、小学生の頃授業中にこっそり交換した他愛ないメモ、先生からの期待。
まとめてしまってあるので普段目にすることはないが、先日大掃除をした際にふと思い出し久しぶりに紐をほどいた。
変化する私のあだ名、キャラクター柄のメモ紙は年を重ねるにつれてレターセットとなり便箋となり、付き合いの長い友人の字が徐々に大人びていく。思い出を語りあう手紙がそれ自体思い出になっていくのを眺めながら、私が生きてきた過去・記憶のひとつひとつが鮮明に象られていく。
現在の自分は過去の積み重ね、とはいえ、時を経るうちに記憶は曖昧になりそれぞれの過去は淡く色を弱める。読み返す手紙は、色あせた絵にもう一度絵の具を重ねた。
大丈夫、私はしっかりと生きてきたじゃないか。
彼らに支えられている限り、今日も胸を張って歩いていこう、と思う。
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